英語を学生時代に勉強した後に中国語を勉強し始めて悩むのは、過去形・未来形という時制について中国語でどのように表せば良いかということです。
というのも、
と言われるからです。では、時制がないのに、どのように過去や未来のことを言い分ければよいのでしょうか?
一つの方法が「時を表す副詞」を動詞の前に持ってくることです。”昨天”と言えば過去だし、”今天”なら現在、”明天”なら明日というように、時間を表す句を使えば、その時制になると説明を受けました。
日本語では、過去形は「~した」というように語尾が変化しますが、現在形と未来形は「~する」と同じ形で、未来形でwillを使用する英語とは異なります。中国語では、過去と未来の区別もあまりなく、時間を表す句を動詞の前に付けることによって時制を表すことができます。
“昨天”、”今天”、”明天”で過去形・現在形・未来形を表すというところまではご理解頂けたでしょうか?
ここまではあまり悩まずに来れるのですが、次にアスペクト(態)という概念が出てくると途端に難しくなります。
アスペクトとは日本語でいう、「もうすぐ食べる、食べ始める、食べている、食べた」など食べるという動きが今どの段階にあるかを表すものです。
代表的なアスペクトとして、動作が完了したり、そのことが実現をみたという動作・行為の姿を現す完了・実現のアスペクト”了”が挙げられます。
日本語に翻訳すると、「~した」と訳すため、「過去形」があるじゃない??と思ってしまうのですが、完了・実現の”了”は時制からは自由で、現在・未来の表現にも使うことができます。
この場合の”了”は、過去・現在・未来に関係なく、複文の前半で動作完了という条件を表します。日本語の「~してから」にあたります。
「アスペクト」は動きの段階を表すものであって、時制ではないということを肝に銘じておきましょう。
それでは、何となく「アスペクト」という中国語特有の概念を理解し始めたところで、代表的なアスペクトは5つありますので、まずこれをご紹介します。
①未来:就要~了、快要~了、要~了
ある動作がまもなく起ころうとしていることを表し、「もうすぐ~する」という場合には、”就要~了”、”快要~了”、”要~了”という表現を使います。
未来を表すアスペクトの表現方法には切迫度合いによって5つの表現があります。
②動作の進行:在、正、正在 ~呢
「~しているところ」という動作や状態が進行していることを表すには、動詞の前に”在” “正” “正在”を入れるか、文末に”呢”を入れます。
“在” “正” “正在”と”呢”を同時に使うこともできます。
進行のアスペクトは英語を勉強したことがあると、「~ing」のイメージがあるので、さほど抵抗感はないかもしれませんね。
③動作の持続と状態の持続:着
動作の持続や、動作を行った結果の持続を表すには、動作の後ろに動態助詞”着”をつけます。
④動作の完了:了
“了”は動作の完了を示しますが、動作自身が完了することであり、必ずしも過去に起こったこととは限りません。”了”は過去形ではなく、完了のアスペクトであるというゆえんです。
“了”の使い方は、文末に置く方法などいろいろな使い方があるので、私にとっては一番使いこなすのが難しいアスペクトとなっています。”了”の用法については、別の記事にて投稿したいと思います。
⑤過去の経験:过
ある動作をしたことがあるという経験を表す場合には、”过”を使います。
中国語には時制はないけれども、「アスペクト」という動作が今どの段階にあるかを示す文法があるということについて、何となく理解して頂けたでしょうか?
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