以前の記事で、中国語は英語と違って「時制がない」ので、今日(今天)、昨日(昨天)、明日(明天)というような時制を表す句を動詞の前に置いて、時制を表現するという説明をしました。
時間を表す句を動詞の前に置く時制の表し方の他に、アスペクト(態)という中国語特有の表現方法があります。
アスペクトとは日本語でいう、「もうすぐ食べる、食べ始める、食べている、食べた」など食べるという動きが今どの段階にあるかを表すものです。
アスペクトには完了を表すアスペクト、経験を表すアスペクトなどいくつかのアスペクトがあります。
この記事では、アスペクトの一つである近未来を表す表現について纏めてみました。
近未来を表現するアスペクトには次の5つの表現があります。1~4は口語的表現で、1→4に向けて時間の切迫度が高まっていきます。5は書面語的表現となっています。
- 要~了
- 快要~了
- 快~了
- 就要~了
- 将要~了
「要~了」が基本的な形でこれに「快」や「就」を付けるか「快要~了」、「就要~了」と「要」を省略する「快~了」の4パターンがあります。
「もうすぐ~である」、「もうすぐ~しそうだ」のように、自体が身近に迫っているときや、行為がもうすぐ始まろうとしている時に使われます。
書き言葉で「将要~了」というのもあります。
- 要:「~しようとする」というニュアンスの助動詞(能願動詞)
- 了:「~してしまう」という変化のニュアンス
1. 要~了
他の表現に比べ、もうすぐ感は弱いといえます。
我要走了。
Wǒ yào zǒu le.
失礼します。
要下雨了。
Yào xiàyǔ le.
雨が降りそうです。
2. 快要~了
「快:スピードが速い」が加わったことにより、①よりもうすぐ感じがアップします。「快要~了」の前には、時間を表す状況語は入れられません。文法問題にこの間違えがよく出題されるので、注意が必要です。
春天快要到了。
Chūntiān kuàiyào dào le.
春はもう間もなくやってきます。
他三点快要来了。
3時にはもう彼が来ます。
→ 事態が発生する具体的な時間を指定することはできないので、この場合には、「就要~了」を使います。
3. 快~了
「快:スピードが速い」というニュアンスが強く出るので、~の部分には時間名詞や年齢が入り、名詞述語文のような形式を取ることがよくあります。
~の部分は通常、動詞(句)や形容詞(句)ですが、”三十岁”や”冬天”のような数量詞や時を表す名詞を動詞なしで挿入できるのは、通常「快~了」だけです。
快下雨了,我们回家吧。
Kuài xiàyǔ le, wǒmen huíjiā ba.
もうすぐ雨が降りそうだから帰りましょう。
快十二点了,他们还在开会。
Kuài shíèr diǎn le, tāmen háizài kāihuì.
もうすぐ12時なのに、彼らはまだミーティングをしています。
4. 就要~了
強調の「就:すなわち」が加わったことにより、更にもうすぐ感がアップします。
すなわちという語源から、「就要~了」の前にはもうすぐがいつかを付記することができます。他のパターンではできないので、文法の間違え探しに出てきそうですね。
我们下星期一就要考试了。
Wǒmen xiàxīngqīyī jiùyào kǎoshì le.
来週月曜日にはもう試験だ。
5. 将要~了
「まさに~しようとする」という意味で、勢いがプラスされたニュアンスとなります。「将要~了」は書面語的です。
花儿将要开了。
Huār jiāngyào kāi le.
花がいまにも咲こうとしている。
事態が発生する具体的な時間を指定できるのは、「就要~了」だけなので、注意が必要です。
〇 火车九点就要开了。
× 火车九点要开了。
× 火车九点快要开了。
× 火车九点快开了。
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