中国語文法は比較的簡単だと思いますが、私の中で最難関に感じる複文。。
2年近くかかりましたが、何となく勉強のコツが掴めてきたので、その情報を自分が二級を受ける時のノート代わりに記事にしたいと思います。
まず、前回の記事では、複文の11パターンはどんなものがあるかを暗記しましょうと書きました。
今回は、11パターンについて、例文といろいろな表現を紹介しますので、例文ごと繰り返し勉強するとだんだん馴染んでくると思います。
これほど習得に長い時間がかかってしまったのは、断片的な知識で問題集に当たっていたため、不正解を繰り返し、それがまた苦手意識を助長したように感じています。
1. 因果関係
①因为 A, 所以 B
原因と結果を表し、「AなのでBだ」と翻訳されます。”因为”は複文の後半にも使用できますが、”由于”は複文の後半には使用できません。
英語では、「because」のニュアンスです。
②由于 A,所以/因而/因此 B
①と同じように、原因と結果を表し、「AなのでBだ」と翻訳されますが、話し言葉にはあまり用いません。”由于”は”因此”や”因而”と呼応することができますが、”因为”はできません。
英語では、「due to」「as a result of that」「because of」「since」などのニュアンスです。
③既然 A,就 B
既に実現したか確実となった前提を述べ、後続する文で前提に基づく結論を述べます。「Aしたからには、Bする」と翻訳されます。
英語だと、「since」のニュアンスとなっていますが、微妙に表現しきれていないような…
④A,于是 B
“于是”は二つの事柄について、時間的な前後関係+因果関係を表し、「そこで」と翻訳されます。
一方、”然后”は時間の前後関係のみ、”因此”は因果関係を表すのに重点を置いています。
英語だと、「as a result」のニュアンスのようです。
2. 仮定関係
前半部分で仮定を表し、後半部分でその結果を表します。
①如果 A,就/便/那么 B
前半部分で仮定を表し、「もしAならばB」と訳します。
②要是 A,就/便/那么 B
前半部分で仮定を表し、「もしAならばB」と訳します。主に話し言葉で用いられます。
英語では「if」と同じニュアンスです。
③假如/假令/假若/假使 A, 就/便/那么 B
基本的な意味・用法は、”如果”と同じで、「もしAならばB」と訳します。英語では「if」と同じニュアンスです。
④若是A,B
書面語のみで使用し、「もしAならばB」と訳します。英語では「if」と同じニュアンスです。
⑤要不是A(的话),就B
前文は事実に反する仮定文で、「もしAでなかったらBだ」と訳します。
英語だと、「if it were not for」ですが、これは英語の表現の方が難しいですね…
⑥A,要不然/要不/要不然的话/不然的话B
要不然などは接続詞で、後文の文頭に使い、「さもなければ」と訳します。
英語では、「otherwise」のニュアンスです。
3. 条件関係
条件関係を示し、いかなる条件の下でも例外なく結果は同じことを強調する「不管」、必要条件を表す「只要」、唯一の絶対条件を表す「只有」があります。
①不管/无论/不论 A,都/也/总 B
「不管」「无论」「不论」は、いかなる条件の下でも例外なく結果は同じであることを強調します。
結果は同じであることを強調するので、「都」「也」「总」を呼応させます。前半部分では、疑問詞(谁/什么など)や選択疑問(A还是B)などを使います。
「不管」は話し言葉に、「无论」「不论」は書き言葉に用いることが多いです。
「AにかかわらずBだ」と訳します。
②只要 A,就 B
必要条件を表します。「只要」はある条件があれば十分だという最低限の条件を表し、別の条件によって同じ結果になってもかまわないのに対し、③「只有」はそれが結果を出す唯一の絶対条件で別の条件ではだめなことを表します。
似ているので覚えにくいですね… 私はいつも間違えます。
「AさえすればBだ」と訳します。
英語だと、「as long as」のニュアンスとなります。
③只有/除非 A,才 B
結果を出す唯一の絶対条件で別の条件ではだめなことを表します。後に「才」を置いて呼応させることが多いです。
「除非」の方が語気が強い。
「Aよりほかない」「AしてこそはじめてBだ」と訳します。英語だと、「only when」のニュアンスとなります。
同じ「只」を使う上に翻訳が似ているので区別がつかなくなってしまう表現として、「只好」があります。これは副詞となりますので、通常動詞か形容詞の前に置いて使用します。
他に選択する余地がないことを表し、「~するほかない」「~せざるをえない」と訳します。英語のニュアンスは「have to」となります。
4. 逆接関係
一方を事実とした状況で、相反する考えなどを表します。
①虽然/尽管/虽说/固然 A,但是/可是 B
「AだけれどもBだ」と訳します。
5. 目的関係
目的を表し「~のために」を表す「为了」や、「~しないように」を表す「以免」などがあります。
①为了 A,B
目的を表し、「~のために」と翻訳します。
②A,以便/是为了/为的是 B
後文の文頭に「以便」「是为了」「为的是」用いて、「AはBのためである」と訳します。
英語だと、「in order to」のような意味です。
③A,以免/免得/省得 B
後文の文頭に「以免」「免得」「省得」用いて、望まない状況の発生を避けるとの意味を表します。
「Bしないように」と訳します。英語だと、「in order to avoid」や「so as not to」と同じニュアンスです。
6. 譲歩関係
譲歩の意味を表します。全て前半部分でいろいろな条件を表し、後半部分で本題の主張を述べます。
前半部分が仮定の条件の場合「即使」を使い、事実の場合「尽管」や「A是A」を使います。
①即使/即便/就是/就算/哪怕 A,也 B
前半部分は仮定の条件や状況で、実際にはまだ起こっていません。仮定の条件や状況で、考え方などが変わらないことを表します。
書き言葉では「即使」「即便」が多いですが、話し言葉では「就是」「哪怕」が良く使われます。「たとえAでもBだ」と訳します。
②尽管/固然 A,也/都 B
ある事実を当然のこととして認めながら、別の事実もまた当時に存在することを表します。尽管は即使などと異なり、未発生のことには使えません。
「もちろんAだが、Bでもある」と訳します。英語の場合、「of course, but」のニュアンスのようです。
③A是A,不过/就是/但是/可是 B
前半のことを事実と認めながら、後半の違う意見を述べます。「AはAだが、B」と訳します。
英語は「yes, but」のニュアンスのようです。
7. 並列関係
複数の動作の同時進行を表す「一边」や、事柄の並列を表す「又」、場面(ケース)ごとの並列を表す「有时」などいくつか種類があります。
①一边 A,一边 B
複数の動作を同時に進行することをあらわし、「~しながら~する」と訳します。英語では、「while」「simultaneously」のニュアンスです。
②又/既 A,又B
事柄の並列を表し、「Aであり、Bでもある」と訳します。英語だと「and」の意味です。
前半部分は「又」「既」のどちらを使っても同じですが、一文字の形容詞の場合、「既」は使えないので注意が必要です。
③有时 A,有时 B
8. 連続関係
連続して起こる動作・行為及び事柄について、順番に説明していくものです。
①先 A,然后 B
「初めにA、それからB」というように訳します。英語だと、「first, after that」のニュアンスです。
②一 A,就 B
前後の動作が時間を置かずに続けて行われることを表し、「AするとすぐB」というように訳します。
英語だと、「as soon as」のニュアンスです。
9. 累加関係
前文が述べたことに、後文がさらに加えて何かを述べているものです。
①不但/不仅/不只/不光/不单 A,而且/并且/还/也 B
「AばかりでなくBも」というように訳します。英語の「not only, but also」のニュアンスです。
②连 A 都/也 B
極端な事例を提示し、他は言うまでもないことを強調するときに使います。強調したい名詞などの前に「连」を置き、述語の前に「都」「也」を置きます。英語の「even」のニュアンスです。
③甚至(连) A 都/也 B
②と同様に極端な事例を提示し、他は言うまでもないことを強調するときに使います。「甚至连」と重ねて使うケースもあります。英語の「even」のニュアンスです。
④除了 A 以外,也/还 B
既知のものに加え、さらにという意味を表します。「Aのほかに、さらにBも」と訳します。
英語の「in addition to」のニュアンスです。
⑤除了 A 以外,都 B
前文で提示された特別な事柄以外は全部同じだという意味で使います。「A以外はB」と訳します。英語の「All B except A」のニュアンスです。
10. 選択関係
平叙文で選択をあらわす場合「或者」を使い、疑問文で選択を表す場合「还是」を使います。
また二つの事柄以外に選択肢がないことを表す「不是,就是」、二つの選択肢のうち、一方のみを選ぶのには「不是,而是」 「与其,不如」「宁可,也不」と三つの表現がありますが、この場合、前半と後半のどちらを選んでいるのか混乱しないように気を付けて下さい。
①或者 A,或者B
「AかB」という選択を表します。英語だと「or」のニュアンスです。
② A,还是B
「AかそれともBか」と聞く疑問文です。英語だと「or」のニュアンスです。
③不是 A,就是 B
二つの事柄を挙げて、「AでなければBだ」と、その両者以外に選択肢がないことを強調します。
英語の場合、「either A or B」のニュアンスとなります。
④不是 A, 而是 B
「AではなくてBだ」と後文の選択肢を選ぶ表現です。
英語の場合、「not A but B」のニュアンスとなります。
⑤与其 A, 不如/宁可/宁愿/宁肯 B
二つの行動を比較し、一方を捨てて一方を選択することを表します。
「AよりもむしろBの方がよい」と後文の選択肢を選ぶ表現です。
英語の場合、「rather B than A」のニュアンスとなります。
⑥宁愿/宁可/宁肯 A,也要/也不/决不 B
利害得失を比較した結果、主観に基づいて前半の行動を選択することを表します。
「BするよりもむしろAしたい」と前文の選択肢を選ぶ表現です。
英語の場合、「rather A than B」のニュアンスとなります。
11. 緊縮文
緊縮文とは、複文が短縮されて単文の形態に見えるものを指します。
①越来 ,越 B
時間の推移とともに程度が高まることを表し、「ますますBになる」と訳します。「来」の代わりに違う動詞を入れると、「Aであるほど、ますますBになる」と訳します。
英語の場合、「more and more」のニュアンスです
文法について私が躓いたポイントを中心にまとめていますので、よかったら他の記事もご覧になって下さい。