中国語初級文法を振り返って、重要だと思う順に解説したいと思います。
中国語を、マスターした方の解説は大変役に立ちますが、中国語初心者がどういう順番で勉強した方が頭に入りやすいかは初級を終えて間もない私の整理法も役に立つかと思い、投稿しました。
1ページに全て書くのは困難なので、まずは文法の全体像をこの記事でご説明します。一旦はこの記事を最後まで読めば、文法のポイント全てを体系的に理解することができるように作成しました。
ただこのページでは詳細な使い分けなどが不足しているので、詳細な説明は個別の記事で補足しています。
投稿された記事は青色下線が付いている記事で、それ以外は今後随時更新していく予定ですので、もう少しお待ちください。。
1. 一番重要な文法は語順
日本語は「てにをは」などの助詞で単語と単語の関係を示しますが、中国語の場合、語順で単語と単語の関係を示すので、基本語順を覚えるのが、中国語学習の第一歩となります。
基本の語順は、「主語+動詞+目的語」の順番で英語に似ています。
2. 述語文
「私はご飯を食べます」「私は日本人です」「今日は暑いです」などの色々な文章がありますが、これらはすべて述語文です。
述語が動詞、形容詞、名詞のいずれかによって、動詞述語文、形容詞述語文、名詞述語文となりますが、英語と語順が似ているので、つい形容詞述語文・名詞述語文において英語のbe動詞と同じ役割を果たす”是”を入れたくなりますが、形容詞述語文と名詞述語文では肯定形の場合は、”是”は不要ですのでご注意ください。
①動詞述語文
動詞が述語となる文章のことで、英語と同様に「S+V+O」、つまり「主語+動詞+目的語」となる基本的な文型で、中国語の中で最もよく使われる文型です。
②”是”(動詞述語文)
“是”は動詞とされますが、英語のbe動詞にあたり、主語と目的語の名詞をイコールでつなぐ働きがあります。
“A是B”で、「AはBである」と訳します。
主語と名詞から構成されるということで、④の名詞述語文と大変似ています。違いは”是”が主語と名詞の間に入るか否かですが、④の名詞述語文では使用できる名詞が日時、天候、数量などに限定されています。
③形容詞述語文
形容詞が述語となる文章のことで、主語と述語となる形容詞の間に英語のbe動詞にあたる“是”を入れません。
形容詞が述語になる場合、通常、形容詞の前に「很」などの程度副詞を伴います。形容詞の持つ比較・対象のニュアンスを消すためです。
「很」を軽く読むと「とても」というニュアンスがなく、強く読むと「とても」というニュアンスが入ります。
中国語は時制がないため、上記のように過去の場合も、今日の天気を話す場合も形容詞は同じ形となります。
④名詞述語文
名詞または数量詞が述語となる文章のことで、これも英語のbe動詞にあたる“是”を入れません。述語となれる名詞は、日時、天候、数量、値段など、一部の名詞に限ります。
3. アスペクト(態)
中国語には時制がないとよく言われます。私はこれがかなり混乱しました。”昨天”と言えば過去だし、”今天”なら現在、”明天”なら明日というように、時間を表す句を使えば、その時制になると説明を受けました。
一方、”了”は完了を示す、”过”は過去の経験を表すというような説明を受け、「時制」ってあるじゃんと思ったのですが、”了”や”过”は時制ではなく、アスペクト(態)だという説明で、さらに????がいっぱいつきました。
日本語でいう、「もうすぐ食べる、食べ始める、食べている、食べた」など食べるという動きが今どの段階にあるかを表すものをアスペクトと呼びます。
代表的なアスペクトは5つありますので、まずこれをご紹介します。
①未来:就要~了、快要~了、要~了
ある動作がまもなく起ころうとしていることを表し、「もうすぐ~する」という場合には、”就要~了”、”快要~了”、”要~了”という表現を使います。
②動作の進行:在、正、正在 ~呢
「~しているところ」という動作や状態が進行していることを表すには、動詞の前に”在” “正” “正在”を入れるか、文末に”呢”を入れます。
“在” “正” “正在”と”呢”を同時に使うこともできます。
③動作の持続と状態の持続:着
動作の持続や、動作を行った結果の持続を表すには、動作の後ろに動態助詞”着”をつけます。
④動作の完了:了
“了”にはいくつかの用法がありますが、今回は動詞の後ろに置くアスペクト助詞の”了”について説明します。
“了”は動作の完了を示しますが、動作自身が完了することであり、必ずしも過去に起こったこととは限りません。”了”は過去形ではなく、完了のアスペクトであるというゆえんです。
完了の”了”を文章として完成させるためには、いくつかの条件などがありますので、それはまた別途記事を投稿したいと思います。
⑤過去の経験:过
4. 助動詞
英語と同様に、動詞の直前に助動詞を置くことにより、能力、願望、義務などを表現することができます。
助動詞は意味に基づいて、下記三つに分類することができます。
①可能性・能力・許可 → 会,能,可以
日本語で翻訳すると同じ「できる」でも、技能や技術を習得してできるようになる”会”、能力や条件などがあってできる”能”、客観的な条件が備わって可能であることを指す”可以”があります。使い分けが慣れないうちは難しいので、注意しましょう。
我能游五十米。
这个教室可以坐五十个人。
この教室には50人が座れます。
②必要性・義務 → 应该,得,要
「しなければならない」という必要性・義務を表す表現で、社会的常識・道理からみて当然すべき”应该”、義務的な意味でしなければならない”得”、道理上あるいは必要性からしなければならない”要”があります。
想要好成绩就得努力。
路很滑,要小心。
③願望・意思 → 想,要,愿意,肯,敢
「~したい」という願望を表す”想”、「~するつもりだ」と意思を示す”要”、「喜んで~する」という自発的な意思を表す”愿意”があります。
我有话要对他说。
5. 補語
中国語の特徴的な文法として、補語があります。
補語は動詞の後ろにくっついて、補足説明をします。必ず動詞の後ろにきて「補う」かたちとなります。
①結果補語
結果補語とは、動詞のすぐ後に置かれ、動作を行って結果としてどうなったかを表すものです。
②様態補語
動作や状態について評価や判断をしたり、具体的に描写をしたりします。
様態補語と述語を結び付けるには、必ず間に”得“が必要となります。
③程度補語
形容詞や一部の心理動詞の後ろに置き、「すごく」「~てたまらない」など、程度が高いことを強調します。
“得”を使う程度補語と、使わない程度補語の二種類があります。
累死了。
④数量補語
数量補語には時量補語と動量補語の二種類があります。
時量補語は、動作や状態がどのくらいの時間続くのかを表します。
動量補語は、動作・行為の行われる回数を表します。
⑤方向補語
方向補語は、動詞の後に置かれ、動作の方向を表します。
⑥可能補語
「動詞+結果補語」や「動詞+方向補語」の間に”得”や”不”を入れて、動作の結果や方向が実現可能か、不可能かを表します。
可能補語については、上記結果補語・方向補語と動詞の間に「得」や「不」を入れる形の他に、3つのパターンがありますので、もう少し詳細を理解したい方は下記記事をご参照ください。
初級文法に必要と思われる項目の全体像を上記で記載しましたので、まず文法の全体像がつかめるかと思います。
それぞれの文法において、実際の用法・注意点などがありますが、これらは徐々に記事を追加して、この記事内にリンク先を設けて飛べるようにしたいと思いますので、もう少しお待ちください。
中国語中級を身に着けるための軌跡を記しています。まだ目標達成はできていませんが、読んでいただけるとうれしいです。