《中国語文法》兼語文|文章の途中で動作主が変わる(目的語が主語へ)

中国語には「兼語文」という難しい名前が付いている文法があります。教科書によっては、連動文の一種として扱っていたり、兼語文という文法を登場させずにさらりと「使役文」を説明したりといろいろな説明法があります。

私は、合格奪取! 中国語検定2級 トレーニングブック 筆記問題編を中心に勉強しており、この本においては、連動文・兼語文・使役文と分けて説明しているので、今回は兼語文に焦点を絞って、用法を纏めてみました。

1. 兼語文の語順

まず、兼語文の語順は下記のようになります。

主語 + 動詞 + 目的語(=主語) + 動詞

老板派美国出差。
Lǎobǎn pài wǒ měiguó chūchāi.
社長は私をアメリカへ出張に行かせました。

この文章を前半と後半に分けると以下のようになります。ピンク色の目的語・主語というのが、一語で表され、目的語と主語を兼ねているという意味から兼語文と呼ばれます。

  • 主語 + 動詞 + 目的語 → 老板派
  • 主語 + 動詞 → 美国出差

「我」が前半部分では目的語になり、後半部分では主語となっており、「我」が主語と目的語を兼ねているから「兼語文」と呼ばれます。また、文の途中で動作主が変わるというのが、この兼語文の特徴と言えます。

2. 兼語文の種類

兼語文の種類には、兼語の前の動詞の種類によって、下記の4種類があります。

老板我美国出差。

①使役や働きかけの意味を表す動詞

②呼称や認定を表す動詞

③好き嫌いや評価の意味を表す動詞

④「有」を用いる

①使役や働きかけの意味を表す動詞

请、让、叫、使、令 → 使役文

要求、托、劝、催、命令、派

他少抽点儿烟
Wǒ quàn tā shǎo chōudiǎnr yān.
私は彼にタバコを少し控えるように勧めました。

②呼称や認定を表す動詞

叫、称、认为、选

历史上这一时期为战国。
Lìshǐshàng chēng zhèyìshíqī wéi zhànguó .
歴史上この時代を戦国時代といいます。

③好き嫌いや評価の意味を表す動詞

喜欢、讨厌、嫌、埋怨、称赞、批评

喜欢你会体贴人。
Wǒ xǐhuan nǐ huì tǐtiē rén.
私はあなたの人を思いやるところが好きです。

④ “有”

新しい情報としての人や事物の状況を説明する場合に、”有”を用いた兼語文を使います。

中国語では古い情報を前に新しい情報を後ろに置きます。

两个姐姐是双胞胎。
Tā yǒu liǎngge jiějie shì shuāngbāotāi .
彼女には双子であるお姉さんがいます。

兼語文いかがでしたでしょうか?勉強してしまうとなるほどと思う文法ですが、なかなか中国語翻訳でうまく使う自信はありません…

では、次の記事では兼語文の代表と呼ばれる使役文についてご紹介します。

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