前回の記事では、把構文の意味におけるニュアンス(ある目的語に処置をする)と、「把構文」を使う上での3つの注意点について説明しました。
今回の記事では、「把構文」を使わなければ文章が成り立たないようなケースについて説明します。日本語→中国語に翻訳するような中国語検定の問題においては丸覚えしておいた方がよい表現とも言えると思いますので、これを機会に暗記していきたいと思います。
動作の結果に関わる目的語が2つあれば、「把構文」を使わなければ、文章が成り立ちません。目的語が2つあるケースは下記の4つの場合に分類されます。
1. ~を(場所)に
「李さんはあの小説を机の上に置きました」というのを中国語に翻訳するときに、「あの小説」と「机の上に」という二つの目的語があるため、「放在」という動詞の後に目的語が一つしか置けないので困ってしまいます。
このような場合、”把”により動作の対象を動詞の前に出して、動詞の後の目的語はその対象が動作により到達した場所を表します。
このような目的語が二つある場合で把構文を使わずに表現する方法もあります。目的語を先頭にもってきて、話題として処理する方法です。
本題に戻って、「~をどこどこに」という表現を「把構文」を使って行う場合、”把”の後の目的語が動作の対象であり、動詞の後の目的語はその対象が動作により到達した場所を表します。
主語 + 把 + 目的語(動作の対象) + 動詞 + 在/到 + 到達点
2. ~を(人)に
“把”の後の目的語は動作の対象であり、動詞の後の目的語はその対象を得た人物・組織です。
主語 + 把 + 目的語(動作の対象) + 動詞 + 给 + 人
3. ~を○○に
“把”の後の目的語は動作の対象であり、動詞の後の目的語は動作によって変化した新しい物を表します。
主語 + 把 + 目的語(対象) + 動詞 + 成 + 変化した別の物
4. ~を○○とする
“把”の後の目的語を、自分の考えや扱い方によってあるものと看做し、その看做したものを動詞の後に置きます。動作によって認識上、別のものに変化したことを表します。
主語 + 把 + 目的語(対象) + 動詞 + 做 + 看做したもの
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