形容詞・心理動詞の後につけて、程度が高いことを強調するのが程度補語です。
程度補語は程度の激しい感情を吐露するような表現なので、フォーマルな場面ではあまり使われないそうです。友人同士などで使うことが多いようです。
「气死我了:ちょーむかつく~」みたいなニュアンスでしょうか・・・
「程度補語」は大きく分けて、様態補語のように「得」を使って接続するもの、「得」を使わずに表現するものの2種類に分かれます。
どちらも極限の状態を表す表現で、「すごく~だ」、「~でたまらない」などと、程度が甚だしいことを表します。
1. 「得」を使うもの
「得」を使う場合の基本形は、形容詞/心理動詞の後に、「得」をつけて、その後に「很」や「要命」などをくっつけます。
主語 + 形容詞/心理動詞 + 得 + 很/不得了/要命 ・・・・
他最近忙得很。
Tā zuìjìn mǎng de hěn.
彼は最近ひどく忙しい。
「得」の後にくっつける程度補語は主に8種類あるので、これはニュアンスとともに覚えておく必要があります。
①得很 好ましいこと&好ましくないこと
- 烦(fán)得很(イライラして仕方がない)
- 辛苦得很(とても大変)
②得不行
- 累得不行(疲れてしようがない)
- 高兴得不行(嬉しくてたまらない)
③得要命
- 疼得要命(痛くてたまらない)
- 热得要命(暑くてたまらない)
④得要死
- 忙得要死(忙しくてたまらない)
- 恨(hèn)得要死(心の底から憎む)
⑤得慌(huāng) 好ましくないこと
生理的にに不快な感覚を表す語に用いる。一音節の形容詞に使うことが多い。
- 饿得慌(腹ペコだ)
- 闲(xián)得慌(暇でしょうがない)
⑥得不得了(bùdéliǎo)
- 高兴得不得了(うれしくてたまらない)
- 累得不得了(とても疲れた)
「不得了」のもともとの意味は「大変だ、一大事だ」を表す
⑦得了不得(liǎobude)
- 高兴得了不得(たいへんうれしい)
- 来客多得了不得(来客がものすごく多い)
「了不得」のもともとの意味は、「なみなみならぬ、すばらしい、立派だ」を表す。
⑧得多 比較に用いて、差が大きいことを表す
- 好得多(ずっとよい)
- 比你们快得多(君たちよりずっと速い)
「得」を使うものは、様態補語と同じ形になってしまうため、本によっては程度補語と様態補語を区別せずに程度補語として説明している参考書もありました。
しかし、程度補語と様態補語は下記のような違いがあるので、別々に覚える方が覚えやすいと思います。
A. 程度補語は程度のみを表す
B. 程度補語は、表現形態が様態補語のように無限ではなく、限られている
様態補語は、下記の文章のように、補語部分が形容詞などの形ではなく、「主語+述語」の形態をとったり、自由な表現ができるため、組み合わせが自在です。
様態補語の例:
那个姑娘哭得眼睛都红了。(その娘は泣いて目を赤くしていた。)
2. 「得」を使わないもの
「得」を使わない場合の基本形は、形容詞/心理動詞の後に、「极了」「死了」をくっつけます。
主語 + 形容詞/心理動詞 + 极了/死了
这部电影有意思极了。
Zhèibu diànyǐng yǒuyìsi jí le.
この映画はものすごく面白い。
「得」を使わない程度補語は、主に5種類あるので、こちらもニュアンスとともに覚えておく必要がある。
⑨极了 好ましいこと&好ましくないこと
動詞の後に目的語がある場合、動詞の後に「极了」は使わない。
- 有意思极了(実におもしろい)
- 对极了(実にごもっともです)
⑩死了 通常好ましくないこと、例外として「高兴死了」など
- 忙死了(忙しくてたまらない)
- 气死我了(腹が立ってたまらない)
- 高兴死了(うれしくてたまらない)
⑪坏了 通常好ましくないこと
- 累坏了(疲れ果てた)
- 乐坏了(うれしくてたまらない)
⑫透了 通常好ましくないこと
- 恨透了(骨の髄まで恨んでいる)
- 糟透了(まったくひどいものだ)
⑬多了 比較に用いて、差が大きいことを表す
- 好多了(ずっとよくなった)
- 他比我强多了(彼は私よりもずっとうまい)
「⑧得多」と「⑬多了」は、比較に用いて、差が大きいことを表すので、他の程度補語とは一線を画しますが、残りのものについては同じ形容詞と結びつくものがたくさんあるので、慣れていくしかなさそうです。
程度補語が使える形容詞や心理動詞は限られています。
「极了」は一番制限がなく、ほとんどの形容詞や心理動詞に使えますが、「得慌」など組み合わせに制限がある程度補語も多いです。
そのため、良く使う表現を慣用句のように覚えてみるのが、効果的です。が、多すぎてなかなか覚えられませんね…
13種類とニュアンスだけをまず覚えて、あとは実践あるのみかな?と思う今日この頃です。
他にも勉強した文法で分かりにくいところを纏めています。自分が間違えやすかったところ、覚えにくかったところを中心に纏めていますので、よかったらご参考にしてみて下さい。