可能補語を一旦勉強したつもりでも、「吃不起」「来不及」「舍不得」など、結果補語や方向補語から類推できない可能補語が出てくると、途端に可能補語で挫折しそうになりませんか?
可能補語の一番難しい論点が、これらの熟語/慣用表現と言われるものです。
要は同じ日本語では「食べられない」を表現するために、中国語では食べられない理由によって「吃不下」「吃不起」などたくさんの可能補語を用いた表現があります。
最初は混乱しますが、慣用句化した表現は、まずはその可能補語のニュアンスを押さえた上で、後は動詞ごと熟語として覚えてしまうのが、効率的だと思います。
可能補語の慣用句化した表現を勉強する前に、可能補語自体がどのようなものかを理解したい場合は、一つ前の可能補語の4つのパターンを押さえるをご覧下さい。
この記事では可能補語4つのパターンのうちの四番目の「可能補語の熟語/慣用表現」について説明します。
1. 可能補語としてよく使われるもの
まずは、可能補語の熟語/慣用表現でよく使われる動詞の「起」「动」「下」「过来」を使った表現について説明します。
下記例文では使用頻度の高い否定形を中心に説明しますが、肯定形は~できるという意味になります。
起:財的・肉体的・身体的などの負担能力や資格がなくてできない
下:スペースに余裕がなくてある場所に収容することができない
动:体力などに余裕がなくて人や物の位置を移動させることができない
过来:やることを全部カバーする余裕がなくて、行き届いて動作することができない
2. 「食べられない」の例文
「食べられない」という日本語を中国語に訳するのは実は大変難しいです。それは、中国語では「食べられない」理由によって使う可能補語が違うからです。
今回は1.で勉強した「起」「下」を使った可能補語での表現に加え、次に説明する熟語・慣用表現も含めて、「食べられない」という中国語の表現方法のバリエーションについて説明します。
なお、「吃」を使うものの、本来の食べるという意味が消失しているものについては、特に注意が必要です。
3. 可能補語の熟語/慣用表現
可能補語の中には熟語化した決まりきった表現があります。これらは、「どうしてこんな日本語になるの?」と理屈を考えるとつまずきますので、まず文章の中で出てくるたびに覚えてみましょう!
私は結構理屈っぽいので 「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」 を愛読書にしていつも「Why?」を考えながら勉強していますが、この本の中でも可能補語の熟語については「日常よく使われる熟語は丸暗記!」となっているので、他に術がないのだと思います。
いきなり全部覚えるのは難しいですが、何度も出てきた都度、これらは理屈ではなく、熟語として覚えないといけない(もしくは慣れる)と意識していると、だんだん定着してくると思います。
自分で電子辞書などを引きながらまとめてみましたが、やはりいっぺんに覚えるのは難しそうなので、徐々に暗記していければと思います!
皆さんはいかがでしょうか?中国語検定2級で一番難関だと思うのは、個人的には語彙力だと思っています。これらの可能補語の慣用表現もその一つです。
丸暗記には頼りたくないので、できる限り文章に触れながら覚えていきたいと思っていますが、道のりは長いですね…