可能補語は、大きく分けて4つのパターンがあります。
まずは、4つの全体像を掴みましょう。
典型的な1だけを理解した後に、2~4のパターンが次々に問題集で出てくると混乱するので、まずは可能補語の4つのパターンの全体像を掴み、出てくる可能補語が下記4つのパターンのどれかを把握した上で、枝葉の議論をおさえるとよいと思います。
1. 動詞 + 得/不 + 結果/方向補語
①結果補語
②方向補語
1は動作の結果や方向の実現を表現していましたが、次に説明する2と3は動作そのものが実現できるかどうかを表します。
2. 動詞/形容詞 + 得/不得
なんらかの差し障りがあってその動作ができない、許されないという意味で使われます。
ほとんどの場合、否定形で使われ、それをするとよくない結果になるので、相手にそれをしないように忠告・注意するときに使われます。
禁止のニュアンスになってくるので、この場合は「不能(禁止を表す)」に置き換えることができます。
3. 動詞 + 得了/不了
二つの意味が存在します。単なる可能を表す場合と、「了」の持つ本来の意味の「しきれる/しきれない」という場合です。
①「~できる/~できない」、「ある状態になり得る(得ない)」
主観的・客観的条件によって、ある動作が実現できるかどうかを表し、「~できる/~できない」や「ある状態になり得る(得ない)」という予測を表す用法があります。
②「(量的に)~しきれる/~しきれない」
「了」の本来の意味である「終わる、全てしてしまう」という意味から、「(量的に)~しきれる/~しきれない」と訳します。
4. 可能補語の熟語/慣用表現
「来不及」「坐不下」「舍不得」などについては、熟語化しており、動詞とともに熟語としてのニュアンスを理解した方が効率的なので、次の記事でご紹介いたします。
漢字から類推が難しい可能補語や、同じ「食べられない」でも食べられない原因によって使用する可能補語が異なります。これらは、いっぺんに全部覚えるのは難しいので、まずは下記記事でどんなものがあるのかをおさえた上で、できる限りいろいろな文章の中で触れながら覚えるのがよいと思います。
4つの可能補語のパターンがあるということを理解して頂いた後は、可能補語の用法上の注意点について記載します。
可能補語と助動詞「能」はどちらも「できる」と翻訳されますが、どのように使い分けるのだろうと、疑問に思いませんか?
そのような日本人が間違い易い文法について解説してくれている 誤用から学ぶ中国語―基礎から応用までを参考にして下記に纏めましたので、ご参考にしてください。
【用法上の注意点】
①可能補語は通常否定形が良く使われる
助動詞「不能」は禁止を表す傾向にあるため、「できない」という時には可能補語の否定形を通常使います。
但し、上記の例外として、二つの動詞による連動構造の可能性を表現する場合には、肯定も否定も可能補語を使えず、「能」「不能」を使います。
× 明天我去上不了课。 → 「去上课」は連動構造なので可能補語は使えないのです。
②可能補語の肯定形はあまり使われず、代わりに助動詞「能」が可能を表すのに使われる
「明天我去得了。」も同じ意味で使うことができますが、通常、「能」を使うことが一般的なようです。
③可能補語の肯定形を使う場合は、疑問文で使われることが多い。肯定形が使われるのは、疑問文とその回答に使われるのが多い
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文法記事は現在、思いついたままに投稿していますので見づらいですが、少しずつ拡充していく予定ですのでもう少しお待ちください。