TECCは(Test of Communicative Chinese)の略称で、中国語のコミュニケーション能力を測る試験となっています。
1000点満点の「スコア表示方式」を採用しているので、TOEICと同じように合否ではなく、自分がどれくらいのレベルにいるかを判定することができます。
何回か受験すると、時系列に自分の実力の伸びを測定することができます。
そのため、中国語検定3級合格後、中国語検定2級合格までの中級の壁の高さを実感した私は、途中、TECCを受験して、まず中検2級を受験する前に、自分の能力がどこにあるかを判定することにしました。
回答はすべて4つの選択肢の中から、1つ選択するというマークシート方式となっています。
1. リスニング:70問、35分
リスニング問題は4パターンありますが、第一部の「基本数量問題」は2度読まれますが、それ以外は一度しか読まれないため、注意して聴く必要があります。
第一部:基本数量問題(10問)
数字はもちろん、お金・重さ・時間などに関する単位の言い方(kg=公斤 など)も覚えておくことが必要です。
“差”を使った~時~分前の表現の問題です。「5時10分前」であるCが正解となります。
第二部:図画写真問題(20問)
絵を見て答える問題と、写真を見て最も適切な説明を選ぶ問題です。
一回しか読まれないので、問題が読まれる前に絵をちゃんと見ておいて、キーワードの単語を頭に浮かべておくとよいです。
例えば、本を閉じる絵が問題用紙に載っています。そして4つの選択肢が読まれます。
正解はCの “合上”で、「両方をぴったり閉じ合わせる」という意味となります。
何となく、日本語の閉めるをイメージして私はAを選んでしまいましたが、”关上”は、門や戸を閉める、スイッチを切るという意味となるそうです。
第三部:会話形成問題(20問)
二人の会話が成立するように、選択肢から一つ選びます。
前半の10問は甲と乙の会話の2句目を選択肢から選ぶもの、後半の10問は甲・乙・甲の会話の3句目の甲の会話を選択肢から選ぶものの、二種類があります。
①会話の2句目を選ぶ問題
一句目は印刷されているので、できれば問題が始まる前に読んでおくと、答えを推測できてよいです。(甲の部分もテープで読まれますが、長めの文章の場合、頭に入ってこないので。)
甲がタバコを勧めているので、答えはAの「ごめんなさい、吸えません」が正解となります。
②会話の3句目を選ぶ問題
第四部:会話散文問題(20問)
飛行機のアナウンスや買い物、病院などさまざまな場面の会話を聞き取る問題です。
会話問題が10問、散文問題が10問出題されますが、一つの会話や長文につき、問題が二つ出題されるのですが、メモを取る時間はないので、いかにテープが流れる前に、問題文とA~Dの選択肢を読めるかどうかにかかってきます。
少なくとも、問題は読んでおいた方が会話・長文を読む時に注意して聞くポイントが分かります。
①会話問題
Bの「一会儿」が解答となります。「用不了多长时间」の「それほどかかりません」が聞き取れるかにかかっています。
②散文問題
長文を聞いてから、その長文に関する問とそれに対する答えを選択します。
Dの「两年多」が解答となります。「已经干了两年多了」が聞き取れていれば、簡単に解答できます。
2. リーディング:70問、45分
第五部:語順問題(10問)
第六部:補充問題(20問)
文中の( )内に挿入する語句として最も適切なものを選ぶ問題です。
1文に空所が一か所ある問題が12問、空所が複数ある問題が2問(8箇所の空所を埋める)の計20問となります。
文の骨組みをとらえること、語彙・四字成語・定型呼応形式を学習しておく必要があります。
Cが解答となります。「一会儿」が「わずかな間」という意味なので、Cの「才」の「~したばかり」を選び、「彼は少し前に出かけたばかりだ」という意味を表します。
第七部:語釈問題(20問)
文中の下線部の語句とほぼ同じ意味になるよう語句を選ぶ問題です。
話し言葉でよく使われる表現や、慣用句・新語などの意味が問われます。4つの選択肢は互いに類義語になっていることもしばしば。微妙な意味の違いにも注意しましょう。
D「对不起」の「すみません」が正解。「抱歉」はより改まった感じで、公式の場合での謝罪表現にも使用されます。
第八部:読解問題(20問)
長文を読み、それに関する設問に対して最も適切な答えを選ぶ問題です。
300字~500字と文字数が多いため、いかに早く理解し、正確に答えられるかがポイントとなります。質問は各文章に2~4問ぐらいで合計20問出題されます。
題材も豊富なので、日頃から新聞や雑誌で長文を読む習慣をつけ、語彙を増やす必要があります。
3. TECCの点数
TECCのスコアは項目応答理論に基づいて統計処理を行っているものです。そのため全問のうち半分正解したから500点という正答数と連動しているものではないそうです。
異なる問題で受験しても、異なる受験者母体の中で受験しても、問題の難易度や母体のレベルに影響されず、常に実力に相当するスコアを客観的に数値化できるようにするためだそうです。
しかし、問題集を解いてみて何割とければ何点くらいは取れそうだというのが分からないのが難点です。
下記はTECC公式サイトにある、TECCスコアと目標スコアですが、まず目指したいのはビジネスレベルの中国語なので「国内での中国関連業務に従事」の600点以上は最低でも目指したいと思っています。
下記のような過去問題を解いて、ある程度問題傾向に慣れておいた方が、初回の点数が極端に低くならずに済むと思います。